diabetesian’s blog

糖尿病専門医、草加市、内科

マンジャロ発売日決定!(4/18)

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世界初の持続性GIP/GLP-1受容体作動薬であるマンジャロ(チルゼパチド)の発売日が2023年4月18日に決定しました。

 

マンジャロは、2型糖尿病に適応となった週1回タイプの注射製剤です(自宅で簡単に皮下注射が可能です)。

 

GIP、GLP-1は、食後に小腸から分泌されるインクレチンと総称されるホルモンで食後の満腹感を感じさせるホルモンとも言えます。

 

これまでもGLP-1に作用する薬剤が使用されてきましたが(トルリシティ、オゼンピック、リベルサス、ビクトーザなど)、マンジャロ はGIPとGLP-1とがお互いに作用を補い合うことで、従来のGLP-1受容体作動薬よりもさらに高い効果を得られる可能性があります。

 

マンジャロ(チルゼパチド)は、GIP/GLP-1受容体に作用することで、インスリンの分泌亢進、感受性亢進による血糖降下作用、食欲減退や満腹感亢進による体重増加抑制作用を発揮します。

 

マンジャロの凄さは、これまでにない体重減少効果が期待できることです。同様の週1回タイプの注射薬であるトルリシティと比較しても効果は抜群です。

 

日本人に対する治験(SURPASS J-mono)で

 

2型糖尿病患者636名(病歴4.8年、年齢56.6歳、HbA1c8.2%、体重78kg、BMI28.1、eGFR79)に対し、52週(約1年間)投与した結果

 

マンジャロ5mgでHbA1c -2.40%、体重-5.8kg

マンジャロ10mgでHbA1c -2.6%、体重-8.5kg

マンジャロ15mgでHbA1c -2.8%、体重-10.7kg

 

と、非常に強い血糖低下と体重減少効果が認められました。

 

副作用は、嘔気(12〜20%)、便秘(15〜18%)と消化器症状が多く、単剤での低血糖リスクはほぼありません。

 

用法としては必ず2.5mgから開始し、最低4週間使用し、効果不十分などで増量する場合は2.5mgずつとなります。

 

2.5mgから15mgまでの6規格が発売されます。

 

発売後1年間は、2週間処方となるため、1回に2本しか処方することができません。よって、発売直後からの使用を考えている患者さんは、1年間は2週間に1回の受診が必要になります(電話再診の利用も状況により可能です)。

 

単独の薬剤としては、最強の2型糖尿病治療薬と言えるかもしれません。

 

コストも高い薬剤であり、副作用なども慎重に見極めなくてはなりませんが、肥満が強い方、毎日の内服が多忙できちんとできない方などには、大きな味方になってくれるかもしれません。