2型糖尿病治療の革命?マンジャロの講演会
大阪で開催された世界初の持続性GIP/GLP-1受容体作動薬であるマンジャロの講演会に出席してきました。
現在、インクレチン製剤の代表としてGLP-1受容体作動薬があり、注射薬としてトルリシティ、オゼンピック、内服薬としてはリベルサスが多く処方されています。いずれの薬剤も単独では低血糖リスク低く、体重に対してマイナスに作用することで、メタボタイプの2型糖尿病に対して重要な薬剤になっています。
今回の講演会のタイトルは、インクレチンサミットでしたが、インクレチンとは、食事をすると消化管から分泌されインスリンの分泌を増加させる作用があるものの総称と言えます。
今回のマンジャロという薬剤は、GLP-1だけでなく、GIPというもう一つのインクレチンの血中濃度を上げる薬剤です。GIPは、GLP-1よりも早期のインスリン分泌を促し、薬理量においては、減量に傾く効果があります。非常に興味深いことは、GLP-1受容体作動薬では、減量効果がある時点で頭打ちになる事が多いのですが、マンジャロの高用量においては治験の52週においても、減量効果が続いている事です。
マンジャロの減量効果は、GLP-1と同様に食欲抑制効果がありますが、それだけでなく代謝亢進などの要因が関与しているのではないかと考えられていますが、これから更なる詳細が明らかになると思います。
約100年前にインスリンが発見され、イーライリリーが製品化し、1型糖尿病治療に革命が起こりました。
そこから、約100年後、2型糖尿病治療にも、新たなレベルの革命が起こるのかもしれません。
マンジャロは現時点では発売されておりませんので、今後更に薬剤のメリット、デメリットにつき勉強していこうと思います。