diabetesian’s blog

糖尿病専門医、草加市、内科

患者の寿命改善 男71歳、女75歳 治療法が進歩

毎日新聞

http://mainichi.jp/articles/20161230/ddm/041/040/050000c

 

2001~10年に死亡した糖尿病患者の平均年齢は、男性が71・4歳、女性が75・1歳となり、日本人全体の平均寿命より男性が8・2歳、女性は11・2歳短かったと、愛知医大などの研究チームが全国調査の結果を国内専門誌で報告した。一方、糖尿病患者の死亡時平均年齢の伸びは日本人全体よりも大きく、30年前の同様のデータと比べると男女とも差が2~3歳縮まった。栄養管理や治療法の進歩が改善を後押ししたとみられる。(以下略)ここまで引用

 

ここ最近は、糖尿病薬の新薬が多く登場し、HbA1Cを下げること自体はそれほど難しい話ではなくなり、その質を高めることが求められています。NHKスペシャルで『血糖値スパイク』が特集されたように、糖尿病や健康に関連したテレビ番組が多く放送されており、糖尿病患者さんの治療に対する意識も高くなってきています。

一昔前は、『恰幅が良い』と言われた太り気味体型も、今ではメタボと言われてしまう時代です。

こういった健康意識の高まりと、治療薬、治療法の進歩がこういった結果に結びついたのでしょう。

それでも、平均寿命から10年程度短命である事実は残っています。

ただ、2010年頃から発売されたインクレチン関連薬、GLP-1作動薬、SGLT2阻害薬などの影響で、2010年~2020年の10年間は、この糖尿病治療の進歩の恩恵をより多くの患者さんの受ける期間となるでしょうから、さらに糖尿病患者さんの寿命はそうでない人に近づいていくでしょうし、そうしなくてはなりません。