diabetesian’s blog

糖尿病専門医、草加市、内科

糖尿病の治療中断、放置に気をつけましょう

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上の表は、少し前のものですが、日本の糖尿病患者さんの治療の状況をまとめたものです。

現在、日本の糖尿病患者は約1000万人、その中で医療機関にかかっている患者は約620万人と推計されています。

問題は未治療の患者が330万人もいて、年間51万人も治療を自己中断していることです。

糖尿病は自覚症状に乏しいですが、放置しておくと合併症が進行し、網膜症による失明、腎症による人工透析、神経障害による下肢切断など重篤な事態を招きかねません。定期通院が最も大事と言われる理由です。

 

残念ながら、「そういえばあの患者さん最近受診しないなあ」ということもあります。一度中断してしまうと何となくその医療機関には受診しにくくなってしまうのかもしれません。良くある事というと良くないのですが、自分の健康の方が大事ですので早めに治療再開するようにしてください。

 

では、なぜ糖尿病を放置したり、治療を中断してしまう患者さんが多いでしょうか。以下に、調査した報告結果があります。

 

治療中断の理由(J-DOIT2より)

1、仕事(学業)が忙しい(24.6%)

2、医療費が高い(15.8%)

3、体調が良い(10.5%)

4、今通院しなくて大丈夫と思う(7.0%)

 

患者さんが通院を中断したり、放置するには、それなりに理由があるわけです。

 

当院では、糖尿病治療の正しい知識や必要性を丁寧にお伝えするとともに、患者さんのニーズに合わせて待ち時間対策や治療法の選択を行っています。

 

 

草加市健診行っています

当院では、6月1日(土)〜12月20日(金)までの期間、特定健診後期高齢者健診、一般健診、肝炎ウイルス検診、大腸がん検診行っています。
また7月1日(月)から9月30日(土)まで肺がん検診を行います。

尚、肝炎ウイルス検診、一般健診は、はがき・保健センターでの申込制(ご自身で)となっております。大腸がん検診、肺がん検診は申込不要、受診券なしです。

ご希望の方は、電話やメールでの事前予約をお願い致します。特に午前中が混雑しておりますので、待ち時間短縮のためにもよろしくお願いします。

減量効果のある糖尿病薬について

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現在の糖尿病治療薬の花形(?)と言えば、SGLT2阻害薬とGLP-1受容体作動薬だと思います。各種ガイドラインにおいても、肥満型糖尿病に対しては公式に推奨されるようになってきました。この2つの薬剤の最大のメリットは、それぞれ違った機序で減量効果があることです

 

従来の糖尿病薬と言えば、SU薬(グリメピリド、グリクラジド、グリベンクラミドなど)やインスリン注射を含め、適切な食事療法を徹底しない限り、肥満を招くものがほとんどでした。

飽食、運動不足の現代社会においては、肥満型の糖尿病患者が増えており、そういった薬を不適切に使用すれば、更なる肥満の悪化につながることも多いのです。肥満はいわば糖尿病の川の上流ですから、肥満を改善する事が糖尿病の改善につながるのは当然です。そこで最近、世界的に減量効果のある糖尿病薬が主流となってきています。

 

内服薬としてのSGLT-2阻害薬、そして注射薬のGLP-1受容体作動薬は、両者ともに明らかな減量効果が実証されています。

 

 

SGLT-2阻害薬の減量につながる機序としては、尿から1日におおよそ70〜80gのブドウ糖が体外に排泄されることです。ブドウ糖は1g=4kcalですから、大体300kcalのロスということになります。食事療法がしっかりしていれば、平均で2〜3kgの減量が期待出来ます。もちろん、食事運動療法の頑張り具合によっては、もっと劇的に減量される方もいます。

 

 

最近は、GLP-1受容体作動薬の処方が増えています。その中でも週1回注射タイプが患者さんの満足度も高い印象です。

 

GLP-1受容体作動薬の特徴としては

①注射薬である、②食欲抑制を介した減量効果がある、③低血糖を起こさず安全性が高い、④腎機能や動脈硬化など血糖値以外にも良い影響が期待出来る(報告がある)

 

といったところでしょう。

 

血糖値を最も確実に下げるのはインスリン注射ですが、過剰な投与による低血糖や体重増加が問題になることがあります。

そこで、自分のインスリンが残存している方で肥満があるような方には、同じ注射薬でも、むしろGLP-1受容体作動薬の方が有効である場合があります。

 

トルリシティという週1回の注射薬は、デバイスとしても非常に使いやすく(針をつける必要がない!)副作用も少なく患者さんの満足度が非常に高いです。

 

この2つの薬の減量効果はそれぞれ違った機序ですので、両者を併用している肥満患者さんも多く見られます。今後は、患者さん個々に応じたオーダーメイドの糖尿病治療がより求められる時代になってきています。

 

 

これだけ書いておきながらですが、最後に一言。やはり一番基本になるのは食事ですので、まずはそこを勉強、実践してからこういった薬の効果を享受出来るものと思います。

 

1型糖尿病にもSGLT2阻害薬が適応に!

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1型糖尿病の治療は、原則インスリン治療です。

しかし、インスリン治療で厳格な血糖コントロールを目指せば、重篤低血糖や体重増加などの問題が頻発し、少し高めのHbA1cで妥協せざるを得なかったのが現実です。

この度、体重減少効果があり肥満型2型糖尿病で処方が増えているSGLT2阻害薬のイプラグリフロジン(スーグラ)、ダパグリフロジン(フォシーガ)が1型糖尿病に対して適応となりました。

 

このことによるメリットは

インスリンを介さない血糖降下作用であるため、HbA1cの改善、必要なインスリン量の減少、そして体重減少効果が期待出来る事です。

デメリットとしては、副作用としてケトアシドーシスを誘発する可能性があるため、シックデイなどの脱水時は中止とすることが必須です。

 

現在、当院では3名の1型糖尿病患者さんにイプラグリフロジンを内服して頂いていますが、概ねHbA1cは1%弱は低下し、2kg程度の体重減少も見られており、有意な低血糖の増加は見られていません。シックデイ時の対応などの説明をしっかりし、適応を見極めることが必要なのは言うまでもありませんが、1型糖尿病患者さんに有効な治療手段が増えたのは間違いなく非常に喜ばしい事だと感じています。

 

 

今週5/23( 木)休診、5/22(水)AM診察です。

診察日についてはお知らせです。

今週5月23日木曜日は学会出席のため休診とさせて頂きます。

その代わり、5月22日水曜日の午前中(9:00〜12:30)を診察とさせて頂きます。大変ご迷惑を御かけ致しますが、御間違えの無いようにご注意の程お願いします。

当院での栄養相談の実施実績

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当院では、糖尿病、生活習慣病脂質異常症、高血圧、高尿酸血症など)治療において、食事療法を重視しております。

食事を見直す事で、糖尿病や生活習慣病の根底になる肥満の改善につながり、インスリン療法から離脱(飲み薬に切り替え)や最小限の薬にできる可能性が高まります。また1型糖尿病に対しては、食事療法の自由度が上がるカーボカウントの指導も積極的に導入しています。

現在、月100件程度の栄養相談を行っております。毎月継続的に受けることで、意識を高めている方も多くなっております。

押しつけでなくその方の生活スタイルに合わせた持続可能な食事療法の提案を行っております。

栄養相談をご希望の方は、お気軽にご相談ください。