diabetesian’s blog

糖尿病専門医、草加市、内科

フリースタイルリブレが保険適応に

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フリースタイルリブレが、4月の診療報酬改定により保険適応になることが決まったようです。

適応は、強化インスリン療法の方。

具体的には、1型、2型糖尿病問わず、インスリンを複数回注射している方(強化インスリン療法)ということになりそうです。よって内服薬のみの方は依然適応にはなりません。

 

これまでは、リブレに対する診療報酬が設定されておらず、医療機関側の努力(工夫)で、主に1型糖尿病の方メインで使用されてきましたが、今回の改訂により2型糖尿病の方の使用も現実的となり、特に血糖コントロールの不良な方にとっては、朗報であると考えられます。

 

フリースタイルリブレは、アボットジャパンの商品名で、フラッシュグルコースモニタリング(FGM)という瞬間的に指先穿刺なく血糖値、そしてそのトレンドがわかる画期的な器具です。

正確には血糖値ではなく間質液のブドウ糖濃度を測定しており、精度の問題は多少ありますが、血糖変動が大きくコントロール不良の糖尿病患者さんの治療には多いに役立つ可能性があり、また指先穿刺を繰り返し指の皮が厚くなり測定困難となった方、痛みの強い方にとっても非常にありがたいものと思われます。

 

 

 

 

流行しないインフルエンザ

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例年、年末年始からインフルエンザが流行し、医療現場はバタバタするというのが恒例なのですが、今年はどうも様相が違うようです。

そういった記事や統計も出ているとは思いますが、あくまで体感的なものですが、自分が医師として臨床に立ってからは最も少ないのではないかと感じます。

理由は様々推測や分析が行われていますが

1、暖冬や季節外れの雨など異常気象によるもの

2、今年のワクチンが当たった

3、コロナウイルス流行に伴うマスク、手洗いなどの感染予防の徹底

 

これらがその原因ではと推測されていますが確定的なことはわかりません。片や、アメリカではインフルエンザが大流行し多くの死者がでているようで世界的にはそうでもないようです。

そうはいっても散発的にはインフルエンザA、Bの患者さんがでますので、コロナウイルス含めて継続的な感染予防が大事です(ちなみに、コロナウイルスの診療は疑いの患者さんを含めて当院では出来ませんので、お近くの保健所に御相談ください。宜しくお願いします。)

Free Styleリブレproのご紹介(当院で使用しています)

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FreeStyle リブレpro (画像はアボット社HP より)

 

当院では、パーソナルFGMであるFreeStyleリブレを主に1型糖尿病患者に使用して頂いていますが、診療報酬の設定の問題もあり(というよりもリブレに対する診療報酬が定められていません)、限られた方のみ適応となっている現実があります。

f:id:diabetesian:20170427133214j:plainFreeStyleリブレ(主に1型糖尿病患者で月1回通院中の患者さんが使用中)

 

「ニュースや雑誌に載っていたから、自分も使いたかったのに・・・」という糖尿病患者さんの声を何回聞いたかわかりません。2型糖尿病患者さんでも血糖コントロールが不良であったり、低血糖が頻発したり「自分の血糖値がどうなっているのか、詳しく調べてみたい」という思いは皆さんもっているのです。インスリンやGLP-1受容体阻害薬(トルリシティやビクトーザ)などの注射薬を使用している患者さんは、1日1、2回の指先穿刺の自己血糖測定(SMBG)を行っていますが、あくまでも24時間変動している血糖値のワンポイントに過ぎません。

 

そこで、このフリースタイルリブレproは、上腕に500円玉大のセンサーを貼付け、15分毎に間質液中のブドウ糖濃度を最大14日間に渡って測定し(最大2週間で1340回)、下のようなグラフとして表してくれます。お風呂にも入れますし、装着、取り外しはスタッフが行います。夜間の低血糖などブラックボックスとなっていた部分まで見えるようになるため、より安全かつ良好な血糖コントロールを目標にできます。

FreeStyleリブレと違い、リアルタイムで血糖値は分かりませんが、2週間後にまとめて結果が分かるタイプです。

半年〜1年に1回程度、血糖変動をチェックする目的にも使用出来ます。

 

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このFreeStyle リブレproですが、施設基準がありクリニックで導入している施設は少ない状態です。

インスリン治療中、もしくは血糖コントロールの不良の方は保険適応となっております。

 

当院では、このFreeStyleリブレproを使用し、より安全で良好な糖尿病コントロールに活用していく方針です。

 

 

 

草加八潮災害医療チーム(SYMAT)訓練に参加しました

1ヶ月以上前ですが、草加八潮災害医療チーム(SYMAT)の一員として、防災訓練に参加しました。当院のある松原地区は水害が繰り返された歴史があると聞きます。今年の台風では大きな被害は無かったようですので、治水事業が上手く行っているのだと思いますが、地震を含めいつ災害が起こるか分かりませんので、こういった訓練は重要です。

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日本の1型、2型糖尿病の平均HbA1cとは?

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2017年のJDDMの集計によりますと(2017年に多施設共同研究に参加したのは55施設)

 

糖尿病患者全体の平均HbA1c 7.06 %

その内訳は

1型糖尿病         7.82 %

2型糖尿病         7.03%

 

とのことです。

 

10月からゾルトファイの処方制限解除

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インスリンとGLP-1受容体作動薬の配合注射剤であるゾルトファイが2020年10月から処方制限解除となります(日数制限無く普通に処方可能となります)。

ゾルトファイは、持効型インスリンであるインスリンデグルデク(商品名トレシーバ)とGLP−1受容体作動薬のリラグルチド(商品名ビクトーザ)の配合注射剤です。

国内の臨床試験ににおいては、インスリン単独、GLP-1RA単独に比較して優位にHbA1c低下効果が現れ、低血糖などの増加も見られていません。

 

まさしく、インスリン治療の確実な血糖降下作用とGLP-1RAの体重減少(増加抑制)、グルカゴン抑制、その他心血管、腎臓などへの効果など(評価はこれから)など、いいとこ取りの薬剤である可能性があります。

 

メリットとして、確実なHbA1c低下効果、1日1回というシンプルさ、体重増加を来しにくい・・・・、逆にデメリットとしては、比較的高額であること(内服薬を減らせれば必ずしもそうとも限らない?)、やはり注射薬であるという心理的、物理的なハードル・・・・が挙げられます。

 

今後、この薬剤によってメリットが大きいと考えられる方としては

 

インスリンを複数回注射しているが、打ち忘れが多く、体重増加傾向、HbA1cもいまいち・・・といった方

 

②複数の内服薬を使用しているが血糖コントロールがつかない方

 

③いわゆるBOT(持効型インスリンと内服の併用療法)を行っているが、血糖コントロールがつかない方

 

④GLP-1RAの治療で血糖コントロールがつかない方

 

⑤糖尿病の発症時、高血糖で受診される方(HbA1c 10%以上、血糖値200以上・・・)の初期治療

 

挙げればいくらでも出てきますが、複数の内服薬、インスリン製剤を使用している方が治療をシンプルにし、それにも関わらず血糖値が改善する可能性があると考えられます。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

雇用時健診、定期健診行っています。

当院では、市の特定健診などの他に、自費での雇用時健診、定期健診を行っています。身体測定、視力、聴力検査、心電図、胸部レントゲン写真、採血(外注)検査が可能です。

 

電話で御予約頂ければ、待ち時間の少ない時間を御案内します。採血検査がない簡易的な健診ではその場で結果をお渡ししています。採血検査がある場合は、結果は後日となりますが、希望あれば郵送でも対応しております。

 

最近、雇用時健診で受診された患者さんが、近隣の市の方であったため当院を受診した理由をお尋ねした所、なかなかすぐ健診を行える病院やクリニックが見つからず大変困ったとおっしゃっていました。こちらとすると意外でしたが、他の市の方が健診でネット検索して当院がヒットしたのはさらに驚きました。