2型糖尿病性を合併する慢性腎臓病に対する史上初の治療薬が発売
糖尿病の合併症である腎症、慢性腎臓病は、現在も新規透析導入のトップとなっており、治療は原疾患のコントロールに尽きます。血糖値、血圧、脂質のコントロール、肥満の改善、禁煙、腎性貧血があれば貧血の改善などが治療の基本となります。
今後もこれらの治療が基本なのは言うまでもないですが、あくまで原疾患の治療であり、2型糖尿病の合併したCKDに対する適応ではありませんでした。
ケレンディアは、2型糖尿病に対する慢性腎臓病に対する適応が認められ、その点で画期的な薬剤です。
作用機序としては、腎臓の尿細管および各組織に存在しているミネラルコルチコイド(MR)受容体を選択的に遮断することで、体液貯留量が減少し、腎臓、心臓の負荷が軽減され、加えて組織のMR受容体が遮断されることで臓器障害が抑制されると考えられています。
副作用としては、高カリウム血症がありえるため、採血検査で注意してみていく必要があります。
新薬であるため1年間は2週間処方となります。そのため、本格的に使用が増えるのは来年6月以降となることが考えられます。
なかなか有効な治療法がなかった糖尿病患者の腎臓病に対する新たな選択肢として、ケレンディアが発売されたことは、明るいニュースだと思います。