diabetesian’s blog

糖尿病専門医、草加市、内科

1型糖尿病にもSGLT2阻害薬が適応に!

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1型糖尿病の治療は、原則インスリン治療です。

しかし、インスリン治療で厳格な血糖コントロールを目指せば、重篤低血糖や体重増加などの問題が頻発し、少し高めのHbA1cで妥協せざるを得なかったのが現実です。

この度、体重減少効果があり肥満型2型糖尿病で処方が増えているSGLT2阻害薬のイプラグリフロジン(スーグラ)、ダパグリフロジン(フォシーガ)が1型糖尿病に対して適応となりました。

 

このことによるメリットは

インスリンを介さない血糖降下作用であるため、HbA1cの改善、必要なインスリン量の減少、そして体重減少効果が期待出来る事です。

デメリットとしては、副作用としてケトアシドーシスを誘発する可能性があるため、シックデイなどの脱水時は中止とすることが必須です。

 

現在、当院では3名の1型糖尿病患者さんにイプラグリフロジンを内服して頂いていますが、概ねHbA1cは1%弱は低下し、2kg程度の体重減少も見られており、有意な低血糖の増加は見られていません。シックデイ時の対応などの説明をしっかりし、適応を見極めることが必要なのは言うまでもありませんが、1型糖尿病患者さんに有効な治療手段が増えたのは間違いなく非常に喜ばしい事だと感じています。