急な体重減少で考えるべき疾患
半年など短い期間で10kg近い体重減少が減った場合、どのようなことが考えられるでしょうか。
もちろん、いま流行りの糖質制限を厳格に行っていればそのくらいの体重減少も不思議ではありません。松村邦洋さんをみても分かります。
こういった痩せようとして痩せた場合はのぞいて、なぜか原因はわからないのに体重が落ちてきてしまったという人がいます。
その場合、もちろん癌などの悪い病気を否定するのが一番大事です。そして下痢や腹痛などの消化器症状が続く場合は、膵炎や炎症性腸疾患なども鑑別に挙がります。咳などが続く場合は、結核などの感染症も否定は出来ません。褐色細胞腫など稀な内分泌疾患も体重減少の原因となります。
これらに当てはまらない場合で最も多いと思われるのが、
・未治療の糖尿病
です。極端に尿が多く出て口が渇くといった場合は糖尿病が急激に悪化している可能性があります。糖尿病による多尿が体重減少の原因かもしれません。
多汗、動悸、震えなどあり首の腫れがある場合は、バセドウ病の可能性が高まります。実際、体重減少を主訴に受診されバセドウ病が発覚した患者さんが、過去3ヶ月で3人いました。
原因不明の体重減少があった場合、これらの疾患の可能性を考えた検査が必要になります。